忍者ブログ
Calendar
<< 2024/09 >>
SMTWTFS
1234 567
891011 121314
15161718 192021
22232425 262728
2930
Recent Entry
Recent Comment
Category
227   225   223   222   220   219   218   217   216   215   214  
カテゴリ: | 2024-09-20 (Fri)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 他の人が書いたネットワーク関係の出版前の原稿をチェックしていて、通信を暗号化するSSL (SSL/TLS)について、あれ?と思うところがありました。

 SSL/TLSはTCP/IPのトランスポート層の上位側で、アプリケーション層との間にはさまって通信を暗号化します。HTTPを暗号化するHTTPSが代表的ですが、アプリケーション層のプロトコルは限定されないので、SMTP、POP3、FTPなども暗号化できます。

 その原稿には、SSLはTCPやUDPの上位側で暗号化を行うと書かれていたのですが、UDPを使うアプリケーション層のプロトコルで暗号化している例があったっけ?とふと思ったわけです。

 SSL/TLSはハイブリッド暗号を使うので、通信に先立ってセッションを確立して、暗号鍵を交換します。UDPはセッションを確立せずに、一方的にデータグラムを送りつける方式なので、そもそも暗号鍵を交換できないではないか?

 Webで日本語、英語のサイトを調べてみましたが、はっきり言及しているサイトが見当たりません。トランスポート層の上位で働くとしか書いていないところが多いし、TCPやUDPの上位で働くとしているサイトも見られます。

 ならば、RFCに当たるしかないので、RFC5246を見ると…
 

 

1.  Introduction

 The primary goal of the TLS protocol is to provide privacy and data integrity between two communicating applications.  The protocol is composed of two layers: the TLS Record Protocol and the TLS Handshake Protocol.  At the lowest level, layered on top of some reliable transport protocol (e.g., TCP), is the TLS Record Protocol.
1. 序文

 TLSプロトコルの最大の目標は、2つのアプリケーション間の通信において、プライバシーとデータの完全性を提供することである。このプロトコルは、TLSレコードプロトコルとTLSハンドシェイクプロトコルの2層から成る。最も低いレベルにおいては、TLSレコードプロトコルは信頼性のあるトランスポート層のプロトコル(例えばTCP)の上に階層化される。


とあります。「信頼性のあるプロトコル」とありますが、UDPには言及されていません。

 それでは、UDPを暗号化するプロトコルはないかというと、DTLS (Datagram Tranport Layer Security)というのがあります。DTLSに言及している日本語サイトは、ほとんど見つかりませんので、RFC4347を見ると…
 

1. Introduction

 TLS is the most widely deployed protocol for securing network traffic.  It is widely used for protecting Web traffic and for e-mail protocols such as IMAP and POP.  The primary advantage of TLS is that it provides a transparent connection-oriented channel. Thus, it is easy to secure an application protocol by inserting TLS between the application layer and the transport layer.  However, TLS must run over a reliable transport channel -- typically TCP. It therefore cannot be used to secure unreliable datagram traffic.
1. 序文

 TLSはネットワーク通信を安全に行うために、もっとも広く利用されているプロトコルである。これはWeb通信や、IMAPやPOPのような電子メールのプロトコルを保護するために広く使われている。TLSの最大の利点は、透過的に接続指向のチャネルを提供できることである。すなわち、TLSをアプリケーション層とトランスポート層の間に挿入することで、容易にアプリケーションプロトコルを暗号化できる。しかし、TLSは信頼性のあるトランスポートのチャネル(典型的にはTCP)上で動作しなければならない。そのため、TLSは信頼性のないデータグラムによる通信を暗号化するのには使えない。


と、こちらには明記されていました。以後の本文中にも、TLSはUDPには使えないので、DTLSを作ったという理由や経緯が述べられています。やはり、UDP上ではSSL/TLSは使えないということでした。
 

PR

コメント
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
無題
ネスペの試験勉強をしています。私もその原稿(おそらく)を見て疑問に思い、検索をしていましたら、ここに辿り着きました。
おかげさまで解決ができました。ありがとうございました。
2011-09-27 Tue 15:56
ななし
無題
私がチェックしたのは出版前の原稿でして、出版時には修正されていますので、別の書籍だと思います。
2011-09-27 Tue 16:46
管理人
プロフィール
HN:
Keiji
性別:
非公開
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
最新コメント
[11/25 ぷらら]
[08/29 User Unknown]
[08/29 User Unknown]
[08/29 二村]
[08/29 User Unknown]
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
Template & Icon by kura07 / Photo by Abundant Shine
Powered by [PR]
/ 忍者ブログ