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カテゴリ: | 2024-09-16 (Mon)
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2014年度秋期の情報処理技術者試験(応用情報技術者試験の午前、高度試験の午前Ⅰ)で、カルノー図が出ました。2009年度の試験制度改定以来、応用情報と高度試験の午前でカルノー図が出るのは初めてです。

 応用情報や高度試験を受験する方なら、論理演算の知識はあると思います。変数A~Dに0を入れたり1を入れたりして、頑張れば正解にたどり着きます。ただ、考え込むと5分くらいは時間を使ってしまうでしょう。最初の問1がこれだから、焦った人も多そうです。

 

 カルノー図を知っていると、この問題は一瞬で解けます。



 グレーの部分の「1」は、ABDが重なる領域なので、論理積ABDで表されます。
 赤の部分の「1」は、BとDが重なる領域なので、論理積B・Dで表されます。
 したがって、カルノー図全体としては、「ABD + B・D」になります。

 カルノー図を知らなくても頑張れば解けますが、知っていれば一瞬で解けるという、いい問題でした。

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2013年秋の情報処理試験まで、1か月を切りました。

 IPA発表のとおり、今回から応用情報技術者試験(以下、AP試験)と一部の高度試験で、午後問題の出題数が削減されます。解答数は同じで、解答時の選択の幅が狭まります。

 AP試験では図のように経営戦略の出題が1問なくなり、12問中6問選択だったのが、今後は11問中6問選択になります。大した違いでないように見えますが、AP試験の仕事に関わっている立場で見ていると、影響が大きいようです。

 2013年度春期までは、戦略系、管理系の問1・問3(経営戦略)、問10(プロジェクトマネジメント)、問11(サービスマネジメント)、問12(システム監査)の5つを選ぶと、技術系の問題(問4~問9)は1つ選ぶだけで済みました。戦略系、管理系は、全然点数が取れないことは少ないです。1つ選んだ技術系の成績が少々悪くても、他で稼げばよかったのです。

 ところが2013年度秋期からは、戦略系、管理系が4問になるので、少なくとも技術系(問3~問8)から2問選択することになります。この2問で得点が取れなくて苦労している方がけっこういます。

 ネットワークはプロトコル階層の概念、データベースは正規化の概念をきちんと理解できていないと、簡単に全滅します。組込みシステム開発は、戦略系、管理系を中心に選択する人には馴染みがないことが多いです。システムアーキテクチャはシステム構成、情報システム開発はUMLなどをきちんと押さえておかないといけません。

 私は技術系の問題を安易に避ける傾向はどうかと思っていたので、これは好ましい方向への変更だと思っています。

 もう一押ししてほしいのは、問1と問2の選択のところです。私の知る範囲では、アルゴリズムを避けて問1を選択する人が多数です。問1と問2の両方を必須問題にしてもいいのではないかと思います。
 2012年度春期・応用情報技術者試験の午前問3に、このような問題が出ました。2005年度秋期・ソフトウェア開発技術者試験の午前問7でも出題されていて、その再出題です。

 次のBNFで定義される<DNA>に合致するものはどれか。

  <DNA>::=<コドン>|<DNA>|<コドン>
  <コドン>::=<塩基><塩基><塩基>
  <塩基>::=A|T|G|C

 ア AC      イ ACGCG    ウ AGC    エ ATGC


 BNF(バッカス・ナウア記法)は定番の問題です。ただ、題材に生物学の用語を持ち出しているところが珍しいです。私もかつてこの分野を学びましたので、どんな経歴の試験委員が作問したのだろうと興味があります。

 コドンはDNAの塩基3つからなる配列で、それにアミノ酸が対応しています。AGC(アデニン、グアニン、シトシン)は、セリンというアミノ酸に対応します。正解はウです。

 応用情報技術者試験の午後の問1は経営戦略の出題になっていて、問2のプログラミングとどちらか選択します。
 
 これまでの問1の出題テーマは、こんな感じです。
 
2009年 春期  マーケティング戦略の立案
2009年 秋期  ソフトウェアの受託開発会社における、工事進行基準適用
2010年 春期  企業の経営分析
2010年 秋期  販売戦略
2011年 特別  業務のアウトソーシング
2011年 秋期  家電量販店の営業戦略の策定
2012年 春期  ロジカルシンキングによる販売戦略立案
2012年 秋期  M&A戦略
 
 これまでは個別の機能戦略が中心でしたが、今回(2012年秋期)はM&A(合併と買収)という全社戦略です。飲料メーカーが同業他社を買収するストーリーで、簡単な財務諸表を見せて買収先の企業価値を算定させる内容です。
 
 IT企業勤務の若い人には難解だったと思います。それこそ、中小企業診断士2次試験の事例Ⅳを易しくしたような内容ですから、面食らったのではないでしょうか。
 
 この試験を受ける人の7割方はIT関連の社会人で、30歳までの人がメインです。プログラミングを選ぶ人が多いかと思いきや、私が仕事を通じて知るところでは、経営戦略を選ぶ人が7~8割を占めるようです。プログラミングは試験本番でテンパると全滅のリスクが高いので、日本語を読んで理解できそうな経営戦略に流れるのだと思います。問1を難しくして、問2のプログラミングを選ぶ人を増やそうという、IPAの策略でしょうか?
 
 2011年秋期の応用情報技術者試験の午前に、次のような問題が出ています。

問60 情報化投資計画において、投資価値の評価指標であるROIを説明したものはどれか。

ア 売上増やコスト削減などによって送出された利益額を投資額で割ったもの
イ 売上高投資金額比、従業員当たりの投資金額などを他社と比較したもの
ウ 現金流入の現在価値から、現金流出の現在価値を差し引いたもの
エ プロジェクトを実施しない場合の、市場での競争力を表したもの

 ROI = Return On Investment  (投資利益率)で、答はアです。用語を聞いているだけですので、経営戦略を知っている方には簡単な問題でしょう。

 では、この問題に解説を付けたらどうなるか。

 Webでも書籍でもいいですが、適当に書かれた解説は、「アはROI、イはベンチマーク、ウはNPV(正味現在価値)、エは機会損失です。」という程度の内容になっています。これだと4つの単語の意味を知っただけでおしまい、となってしまいます。

 この問題は一般用語を聞いているだけのように見えますが、実は元ネタがあります。それは、経済産業省が作成した『IT投資価値評価ガイドライン(試行版)』です。これを読んでみると、問題の文章がそのまま出ています。つまり、このガイドラインを読んで知っておいてほしい、というIPAや経済産業省からのメッセージなのです。こういう点に触れた解説を読んで勉強すれば、知識の幅も広がるでしょう。
 先日(2011年7月)実施された応用情報技術者試験で、次のような出題がありました。情報処理技術者試験の午前問題を多く見てきましたが、MVCモデルの出題は初めてだと思います。

問15 モデル層、ビュー層及びコントローラ層の三つの論理的な層でモデル化されたWebシステムの説明として、適切なものはどれか。

ア 業務処理はコントローラ層が行い、出力が必要な場合はビュー層に依頼する。
イ 業務処理はモデル層が行い、処理結果はビュー層に渡されて画面表示が行われる。
ウ 処理に必要なデータをモデル層が検索し、コントローラ層で業務処理が行われる。
エ モデル層はコントローラ層から受け取った処理結果をビュー層に引き渡す。
(正解:イ)

 そこで、“Model View Controller”などのキーワードを検索すると、いろいなWebサイトが見つかります。特に、3つの層の関係を表す図は、サイトによって描き方がばらばらです。どれが本当なのかと思ってしまいます。

 ならば、原典を当たるしかありません。もともとGUIのシステムをSmalltalkでプログラミングするときに考えられたモデルのようです。その原典がこの論文→“A Cookbook for Using the Model-View-Controller User Interface Paradigm in Smalltalk-80,”  Krasner & Pope, Journal of Object Oriented Programming (1988)。この論文に出てくる図が大元です。

20110729_mvcmodel.gif
(図をクリックすると拡大します)

 参考書や教材で解説を書くためにMVCを検索している方もいらっしゃると思いますが、ご参考にどうぞ。

 先日10月17日の情報処理技術者試験(応用情報技術者試験の午前問26)で、ヤコブ・ニールセンの「ユーザインタフェースに関する10か条のヒューリスティックス」が出題されていました。オリジナルの英語では“10-Heuristics for User Interface Design”というものです。本を書くに当たって必要になったのですが、これといって標準的な翻訳は存在しないようなので、適当に翻訳してみました。


  1. システム状態の視認性
     システムは今何を実行しているかを適当な時間内に妥当な応答によって、常にユーザに知らせるべきである。
  2. システムと現実世界の一致
     システムはシステム指向の用語でなく、ユーザに馴染みのある言葉、フレーズ、概念を用いて、ユーザの言語で話すべきである。現実世界の慣習に従い、自然で論理的な順序で情報を示すようにしなさい。
  3. ユーザの主導権と自由
     ユーザはしばしば間違えてシステムの機能を選択するので、余計なダイアログを出さずに望まない状態から抜けられるよう、明確な「非常口」が必要となるだろう。アンドゥとリドゥの機能をサポートしなさい。
  4. 一貫性と標準
     同一の物事を指す異なる用語、状況、動作によって、ユーザが戸惑うことがあってはならない。プラットフォームの規則に従いなさい。
  5. エラー防止
     優れたエラーメッセージを表示するより、そもそも問題を起こさないよう慎重に設計するほうがよい。エラーの起こりやすい状況を排除するか、ユーザが操作を確定させる前に確認できる選択肢を与えなさい。
  6. 想起より認識
     オブジェクト、動作、オプションは見えるようにして、ユーザが記憶する負担を最小にしなさい。ユーザは、あるダイアログの一部から別のダイアログへの情報を覚える必要はない。システムの使用上の指示は視覚的にするか、必要なときにいつでも簡単に見られるようにすべきである。
  7. 使用の柔軟性と効率性
     システム利用を効率化する仕組み(初心者には見せないが)は、熟練者とのやりとりを高速化でき、初心者と熟練者の双方の要求を満たすことができる。頻繁に利用する操作は、ユーザが適応できるようにしなさい。
  8. 美的で最小限の設計
     ダイアログには、無関係な情報やめったに必要でない情報を含むべきでない。ダイアログに余計な情報を表示すると、関連する情報と競合して相対的に見にくくなる。
  9. ユーザに対するエラー認識、判断、回復の援助
     エラーメッセージは通常の言語(コード番号でなく)で表現し、問題点を正確に示し、前向きに解決法を提示すべきである。
  10. ヘルプとドキュメント化
     システムはドキュメントがなくても使えるほうがよいが、ヘルプとドキュメントの用意は必要だろう。このような情報は検索しやすくして、ユーザの作業に焦点を当て、実行のための具体的手順を記述し、分量が多すぎないようにすべきである。

 ヒューリスティックス(heuristics)とは、「経験に基づく物事」(厳密な理論でなく、経験の積み重ねで得た技術、問題解決法、学習法など)の総称です。さしずめ、「ユーザインタフェースに関する10か条の経験則」という意味になるでしょうか。
 最近、「ヤコブ・ニールセン」、「ユーザインタフェース」、「ヒューリスティックス」などのキーワードで検索して、ここをご覧になる方が多いですが、ヒューリスティックスという言葉自体はユーザインタフェースとは直接関係ありません。

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